美術科

洋画コース

表現の可能性を追求し、新たな自己を切り開く

繊細で大胆なマチエールと豊かな色彩表現で、人々の心を動かす油彩の世界。ここでは油彩の基礎となるデッサンから、フレスコなどの古典技法や素材の研究、立体制作から写真実習など幅広い分野を習得します。また自由な環境の中、1年次で100号を超える自主作品に挑むことも可能。多方面から刺激を受けながら、他に埋もれない感性を磨く4年間の学びは学生自身に大きな変化をもたらし、全国から注目される多数の受賞実績へとつながっています。迷いや葛藤を乗り越え、作品を仕上げる中で得られる忍耐力と思考力は、自らの社会性を豊かにします。


芸工大の洋画コースだからできること

多彩な教授陣
作家でもある教授陣が、学生の作品を具象・抽象を問わず丁寧に指導。教員と学生との距離も近く、教員の研究室やお互いのアトリエを行き来し、刺激を受けながら制作に打ち込むことができます。また、自分自身とじっくり対峙する時間を生み出す、豊かな自然環境も魅力です。

大作に挑めるアトリエ
大作や立体に挑戦できる広いアトリエは3年次から個々の空間が割り振られ、幅9mに迫る大作を描いた学生もいるほど。また、天井が高く真っ白なデッサン室は実習のほか、自主制作で一時的に利用することも可能です。作品展やレビューを行うギャラリーも併設されています。

作品展と講評会の開催
山形市内や首都圏のギャラリーを会場に、作品発表を積極的に実施。作品を鑑賞してもらうことで、制作に対する自覚や目的意識を育みます。また、活躍する作家や評論家、ジャーナリストなど著名な美術関係者を招いての講演会や特別授業、作品講評会なども定期的に開催しています。

4年間のカリキュラム
  • 1

    「観察を基本に」をコンセプトに学習/前期はデッサン、人物・静物油彩、版画(銅版か木版)の体験と、黒いモチーフを探し大判の木炭紙に描く課題を行う。後期は立体的なモノの捉え方を体得するために粘土で塑像制作。人体3部作としてデッサンとドローイング、油彩にも取り組む。

    【必修科目(1年次)】芸術鑑賞の喜び/芸術思考論/洋画基礎演習1~4/洋画入門/洋画概論
    【選択必修科目(1~4年次)】日本美術史概説/西洋美術史概説/東洋美術史概説
    【選択科目(1~4年次)】美術解剖学/芸術色彩学/工芸論/版画史/工芸史

  • 1
    フレッシュマンセミナー
    山寺に研修旅行。自己紹介やグループでテーマに沿ったプログラムを実践し、他者との関わりや能動的に学ぶ姿勢を構築。
  • 1
    洋画基礎演習1[黒い巨大なモチーフを描く]
    仲間と協力してモチーフを組み立て、対象を観察して忍耐強く的確に捉える力を養う。(必修)
  • 1
    洋画基礎演習2[塑像制作]
    基礎過程のまとめ。ペアで頭部の粘土の塑像を制作。量感や動きなどの立体感覚と立体造形力を養う。(必修)
  • 1
    洋画基礎演習2[白い静的モチーフとカラフルな動的モチーフ]
    20号以上の制作。質感、存在感、空間感と共に豊かな色彩表現を目指す。(必修)
  • 1
    洋画基礎演習2[フレスコ・テンペラ]
    絵画の歴史と幅広い技法を知ることで、表現の幅を身に付けて自身の制作に活かす。
  • 1
    洋画基礎演習4[人体三部作]
    人をテーマに大判のデッサンとドローイング、油彩の3点を制作。観察と素材に慣れ、ものの捉え方を習得。(必修)
  • 2

    発想を表現として可視化する/他コースの素材や技法にも触れ、表現の幅を培う。フレスコなどの古典技法や写真実習も体験。モチーフを画面上で再構築する訓練も行い、表現手段を身につける。最後は進級制作として60号の画面に挑戦。学内に展示し制作の客観性につなげる。

    【必修科目(2年次)】洋画演習1~3/洋画と実践力1・2
    【選択必修科目(2年次)】美術科共通演習(絵画・彫刻・工芸・総合)A・B・C
    【選択必修科目(2~4年次)】日本近世近代美術史/現代美術史
    【選択科目(2~4年次)】素材学(日本画)/素材学(洋画)/芸術思考と社会/美術の見方/素材学(版画)/素材学(彫刻)/先端的コンテンツとアートシーン/衣服論/染色論/クリニカルアート演習

  • 2
    洋画演習1[発想と表現]
    発想を他者へゆだねる課題。素材や技法への積極的・実験的な取組みで考えを浮上させ、表現の可能性を探る。(必修)
  • 2
    洋画演習3 【進級制作】
    自由制作の作品を展示しプレゼン。基礎から展開させ各自の方向性を探る。4年間のターニングポイントとして優秀な学生には賞も。
  • 3

    コミュニケーション力と表現の幅を広げる/ドローイング、細密表現、教員によるゼミを開講。後期は描かずに表現する課題や、ドローイングをアーティストブックとして発表する課題にも挑戦。3年の最後には100号の大作を制作。課題毎の講評会でコミュニケーション力も養う。

    【必修科目(3年次)】洋画演習4~7/ポートフォリオ研究/ポートフォリオ作成
    【選択必修科目】アーティストマネジメント/キャリアマネジメント
    【選択科目】アートマネジメント概論

  • 3
    洋画演習5[自己啓発/描く描かない]
    描く意味と作品の在り方、表現を模索すると共に、自らの進路と描く事との結びつきを考える。(必修)
  • 3
    洋画演習7[大作制作]
    卒業制作を見据えた100号大の自主制作で、テーマや世界観など高い質が要求される。作品は新4年生展に出品。(必修)
  • 4

    表現手法を総動員し自らのテーマを確立する/「プレ卒展」と題した作品展を開催。それを踏まえて卒業制作に着手。表現手法を総動員して自らのテーマに立ち向かう。進路を見据えた課題説明を実施し、将来を意識して制作。卒業制作展では著名な美術評論家が美術界の厳しい目で作品を批評。

    【必修科目】洋画演習8・9/卒業制作

  • 4
    洋画演習8・9[プレ卒展]
    作品と社会の関わりを考え、自己実現を視野に卒業制作に向けて制作。習作による試行錯誤を重ねて自己テーマを明確化。(必修)
  • 4
    卒業制作
    集大成として造形力や感性を最大限に発揮し、完成度の高い作品制作を目指す。これ迄の自分を乗り越える力強さが必要。(必修)

活動レポート

  • 「美大の未来」展で卒業生がグランプリ・準グランプリを受賞

    日本で最も歴史ある洋画商「日動画廊」が主催するコンクール・企画展「未来展-美大の競演」。本学卒業生が上位の2賞を受賞したことは、教育水準の高さを示す結果です。

  • 常に動く映像とモデルをモチーフに作品制作

    「見ること見ないこと」は、プロジェクターを使った室内空間と動くヌードモデルがモチーフ。常に動く対象に翻弄されながら描いた作品は、多くの可能性を感じるものばかり。

  • 思考と連動して手で動かす100点ドローイング

    1冊のアーティストブック(作品ファイル)とするため、3年次には100点ドローイングに取り組みます。バリエーションに富む作品は、見る人にも高揚感を与えます。

  • アトリエがより明るく使いやすく改修

    洋画コースアトリエの改修が、2015年10月に完了しました。壁面は油彩画の色彩を際立たせる白で統一され、より明るく使いやすくなりました。

  • 五感を活かした写真実習

    五感をフル活用して数百枚に及ぶ写真を撮り、厳選した写真で1冊のオリジナル作品集を制作。この実習を通して触れる視覚表現の意外性や奥の深さは油彩表現にも活きます。

  • 現役大学院生が「VOCA賞」を受賞

    大学院生の田中望さんが現代美術作家としての登竜門「VOCA 2014展」でVOCA賞を受賞し、大きな注目を集めています。ほか、公募展などに出品し高い評価を得る学生も多数輩出。


作品紹介

  • HARD AESTHETICS

    齋藤みなみ「HARD AESTHETICS」

    H2000×w4000パネル・アクリル・油彩

  • やがて侵される領域

    星川菜々美「やがて侵される領域」

    H1940×w4860キャンパス・油彩

  • 孤独な群衆

    遠藤満希「孤独な群衆」

    H1620mm×W3909パネル・綿布・ミューグランド・鉛筆・木炭・墨・ペン

  • 代々

    堤夏輝「代々」

    H818×W2590mmパネル・白亜地・油絵具・砂

  • 無意識の波

    川崎晋「無意識の波」

    H2000×W3240mm 油彩・箔

  • ~森の語り~

    田屋ほたる「~森の語り~」

    H3600×w8500×D2000mmキャンバス・布・油彩混合

  • かわいいおともだち

    山之内ほのか「かわいいおともだち」

    H2273×W2273mm キャンバス・アクリル・油彩

  • 眠り姫の楽園

    菅野亜美「眠り姫の楽園」

    H1620×w4546mmキャンパス・油彩

  • Annunciation

    佐々木優衣「Annunciation」

    H1120×W1620mm パネル・石膏地・アクリル・パステル・箔

  • 全てを内包し、波及する

    柏倉風馬「全てを内包し、波及する」

    H1830×W3670mm パネル・白亜地・油彩

  • この世に残せないとしても

    廣木美鈴「この世に残せないとしても」

    H2000×W6300mm パネル・アクリル・箔

  • Babble

    小野木亜美「Babble」

    H1940×W3760mm パネル・手漉き和紙・雲竜紙・阿波和紙・アクリル・カラーインク

  • 田代文香「成」

    H1620×W3880mm パネル・白亜地・油彩

  • マナパゴス・マーチ

    髙橋真菜「マナパゴス・マーチ」

    スタイロフォーム・段ボール・アクリル・クレヨン

  • 溢レル

    工藤さや「溢レル」

    H2273×W3636mm キャンバス・油彩

  • 星数響理図

    梅木花梨「星数響理図」

    2590×1940mm パネル、キャンバス、アクリル

  • めがちゃぽん♪

    大野彩夏「めがちゃぽん♪」

    H2273×W5454 油性ペン、アクリル、パネルにミューグラウンド

  • 夜から降る、星のやどり木

    高橋理美「夜から降る、星のやどり木」

    H2413×W3762mm アクリル、色鉛筆、オイルクレヨン、油性ペン、パネルにキャンバス

  • つちにかえる

    金山友美「つちにかえる」

    H2150×W6500mm 顔料、アクリル、油彩、砂、パネル

  • スイムイ

    泉川なのは「スイムイ」

    H2997×W5991mm 油彩、アクリル、木炭、パネルにキャンバス

  • ある日の自室(左)、知人と過ごす時間(中央)、夜の客室(右)

    條野千里「ある日の自室(左)、知人と過ごす時間(中央)、夜の客室(右)」

    H1940×W1620mm(左) H1940×W1620mm(中央) H1940×W1620mm(右)

  • ランチ・イン・ワンダーランド

    能登美希「ランチ・イン・ワンダーランド」

    H1940×W3240mm アクリル、油彩、キャンバス

  • 歓天喜地

    青木みのり「歓天喜地」

    H3400×W3400mm アクリル、油彩、パネル

  • ジャイアントベイビー・くまさん

    味藤渚「ジャイアントベイビー・くまさん」

    H1940×W3240mm 油彩、キャンバス

  • とんちき六道輪廻図屏風

    大坪響「とんちき六道輪廻図屏風」

    ミクストメディア、1600×3800mm

  • 草地の記憶

    原田圭「草地の記憶」

    パネル、白亜地、卵テンペラ、1400×2745mm

  • Highest Mountain

    佐藤未希「Highest Mountain」

    パネル、キャンバス、油彩、2273×1818mm

  • HOME

    小野寺裕「HOME」

    パネル、油彩、1820×3640mm

  • 醒めぎわの夢

    齋藤陽子「醒めぎわの夢」

    パネル、油彩、1818×4546mm

  • 点で散々

    関根可奈子「点で散々」

    ミクストメディア、インスタレーション

  • 冬の太陽

    原田圭「冬の太陽」

    パネル、キャンバス、アクリル

  • 女艦男空艇華撃大戦図

    友岡かさ音「女艦男空艇華撃大戦図」

    パネル、キャンバス、アクリル

  • ハレノノヒ

    田中望「ハレノノヒ」

    パネル、胡粉、墨、箔、モデリングペースト、1900×6600mm

  • ヒノカン様と大ばあちゃん

    山城祥子「ヒノカン様と大ばあちゃん」

    油彩、パネル、2590×2590mm

  • 正常な街

    高橋智乃「正常な街」

    油彩、キャンパス、2450×1560mm

  • ゆめのつづき

    大木千絵「ゆめのつづき」

    油彩、キャンバス、2273×3636mm

  • よみはざま

    西野恵理「よみはざま」

    油彩、パネル、2273×3636mm

  • 永久機関的誕生の織り成し

    髙橋彩香「永久機関的誕生の織り成し」

    油彩、パネル、2700×2700mm

  • 太陽と花と星

    結城ななせ「太陽と花と星」

    木板、顔料、インスタレーション


フォトギャラリー

  • 美術科 [洋画コース]
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教員紹介

石井博康 教授/副学長
Ishii Hiroyasu

石井博康 教授/副学長
Ishii Hiroyasu

1952年 岡山県生まれ、1977年 東京藝術大学美術学部絵画科油画卒業。学士。

 

現代日本美術展/ウォールアート展/板橋INSTALLATION〈花〉(板橋区立美術館)/版概念(ギャラリーαM)/現代美術新世代展(国立青洲博物館)/中日友好交流展(中国湖北学院美術館)/Japan/Wisconsin Arts Exchange(WI,USA)/石井博康+小林裕児コラボレーション(セイント・ノーバート大学,U.S.A)/それぞれの「0」展/表層の冒険者たち/等。 個展 ギャラリー山口、フタバ画廊、色彩美術館、ギャラリー58、他

 

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木原正徳 教授/芸術学部長
Kihara Masanori

木原正徳 教授/芸術学部長
Kihara Masanori

1958 年 長野県生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。学士(芸術)。

 

二紀展(東京セントラル美術館賞、安田火災美術財団奨励賞、会員賞、田村賞、宮本賞、他)、青木繁記念大賞展(わだつみ賞)、伊藤廉記念賞展、セントラル美術館油絵大賞展、別府現代絵画展、損保ジャパン美術財団選抜奨励展など。

 

個展:銀座スルガ台画廊(1998, 2000, 2009)、八十二文化財団(2000)、銀座東和ギャラリー(2006)、画廊宮坂(2013)など多数。

文化庁芸術家海外留学特別派遣(2008イタリア)、二紀会委員。

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瀬島匠 准教授
Sejima Takumi

瀬島匠 准教授
Sejima Takumi

1962年 広島県生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。芸術学士。

 

1999年10月~2001年9月 メゾンドアーチスト会員(フランス美術家協会)。2004年~ 独立美術会会員。1994年 独立美術協会展 野口賞。1996年武蔵野美術大学国際芸術都市留学 パリ賞。2003年独立美術協会展 独立賞。2004年独立美術協会展 会員推挙。2011年上野の森大賞展 大賞。

鴻崎正武 准教授/コース長
Kouzaki Masatake

鴻崎正武 准教授 /コース長
Kouzaki Masatake

1972年 福島県生まれ。2005年 東京藝術大学大学院絵画科後期博士課程修了(学位取得)。博士。

 

2005年 New Spirits 福島福島県立美術館、 2007年 個展 gallery MoMo 六本木、個展 佐藤美術館、2008年 Ma展 DILLON Gallery, New York。

2013年 グループ展 Art MIAMI, DILLON Gallery, New York。

受賞歴は東京芸術大学 美術学部 絵画科 油画科 O氏記念賞、学校買上げ賞、UBS Art Award 2000 Finalist Japan、第13回青木繁記念大賞展 大賞。

 

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青山ひろゆき 准教授
Aoyama Hiroyuki

青山ひろゆき 准教授
Aoyama Hiroyuki

1977年 福島県生まれ。東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科修士課程修了。修士。

 

専門は絵画(油画)。

夢広場はるひビエンナーレ(奨励賞)青木繁記念大賞展(優秀賞)、「生まれるイメージ」山形美術館(2005)、「phantasia」Bunkamura gallery(2007 )、「ゆらめく日常アートの交差点~新進アーティストの視点~」郡山市立美術館(2009)。

個展/いわき市立美術館、はるひ美術館、YOKI FINE ART、GALERY IDF 、YUNG ART TAIPEI(台湾)。

その他/ ART BEIJING(中国)、アートフェア東京、東京コンテンポラリーアートフェア、企業コラボアート東京2013など国内外での発表多数。

 

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室井公美子 講師
Muroi Kumiko

室井公美子 講師
Muroi Kumiko

1975年 栃木県生まれ。東京造形大学大学院造形研究科修了。修士。

 

2005年群馬青年ビエンナーレ05’(奨励賞)、2005年第20回ホルベインスカラシップ(奨学生)、2006年V0CA2006新しい平面の作家たち、2009年2008年度ZOKEI展・東京造形大学大学院修士論文・修了制作展(ZOKEI賞)、2012年第31回損保ジャパン美術財団選抜奨励展(秀作賞)、2013年グルジアPROSPER財団主催アーティストインレジデンス参加、GALLERY MoMoを中心に個展多数。

聖チェチリア+2012 194x162cm 落ちる男 2009+227x182cm

非常勤講師

非常勤講師

秋山さやか
伊藤泰雅
今澤正
小田志保
河合規仁
椎葉聡子
菅原智子
高松和樹
津上みゆき
土屋貴哉
長谷川健司
古川弓子
水野暁
村上滋郎
古川民仁


目指せる代表的な職業と取得できる資格

代表的な進路先:
公務員、団体職員/美術館、博物館/商品企画、開発/販売、商業施設/旅行、観光、ブライダル/雑誌・地域紙制作/美術・工芸作家/イラストレーション/アパレル、ファッション/学校教員/NPO(芸術、教育)/学芸員
目指せる主な資格:
小学校教諭一種免許(中学校教諭一種免許取得者が、指定の通信科目を受講することで取得できます)/中学校教諭一種免許(美術)/高等学校教諭一種免許(美術)/学芸員