文芸学科

ライティング/編集/企画・出版

日本語を鍛え、
心に響く魅力的な表現を追究する

さまざまなメディアで自分の言葉を手軽に発信できる時代になりました。だからこそ、文 芸学科では情報の混沌に埋没しない、個性的で訴求力のある言語表現を追究します。基本 的な作文から始め、より複雑で高度な創作、小説やエッセイを書く力を培っていきます。 そして、雑誌や単行本の企画、学内外での取材、原稿やラフの作成、校正校閲、本格的な D T P ソフトを使っての誌面作りなど、編集する力を実践的に養っていきます。文芸学科で 得た力は、どんな職種や企業でも役立つはずです。幅広い分野で活躍できる人材の育成に 取り組んでいます。


卒業時取得可能資格:
学芸員
※指定の科目を受講することで取得できます。

授業ピックアップ

画文集を作る
視覚表現と文字表現

版画コースの学生とコラボレートすることにより画文集を制作します。テキストがヴィジュアルのコメントにならないよう、ヴィジュアルがテキストの挿絵にならないよう、互角の表現で新たなステージを目指す実践的演習です。

取材して記事をまとめる
創作演習 2

与えられたテーマに沿って企画を考え、誌面での見せ方を検討し、自らが取材先を探して現地におもむき、話を聞いて、文章にまとめます。こうした雑誌編集に必要な一連の作業を、小冊子の制作を通して実践的に学びます。

創作の基礎固め
日本語表現 1・2

教員が小説の書き方について講義を行い、その内容を前提に学生が執筆します。そして作品の講評。講義と執筆と講評のサイクルを繰り返しながら、創作についての基礎的な知識と技法を徹底的に習得します。

編集の基礎を学ぶ
編集概論

書籍や雑誌だけでなく、さまざまな媒体で行われ る「編集」という工程の概要を学習します。アイ デア出し、企画、デザイン、写真、構成、校正・校閲、 製本などを体験しながら、編集の考え方を身に付 けていきます。

作品構造を把握する
作品読解 1

米澤保信、カフカ、横光利一等、教員が選んだ作 家の短編小説を、論理的に要約することによって 作品の「構造」を把握します。客観的な「構造」 の把握は、精緻な作品解釈にはもちろん、創作に おいても必要とされる力です。

文学理論の習得と実践
創作演習 1・4

プロップ、スーリオ、ジュネット等の文学理論を 学び、文芸批評を執筆します。そこで培った自分 の作品を客観視できる批評性を、最終的には自分 の創作のために生かしていきます。

4年間のカリキュラム
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社会とのつながり

  • 在学デビューをバックアップライティング|企画|作家デビュー

    文芸学科の学生は、在学中から各種 新人賞への投稿を積極的に行い、高 い評価を得ています。その作品が出 版社担当の目に留まり、作家デビュー を果たす人も少なくありません。教 員は自主制作の小説や編集物につい ても目を通し、適切なアドバイスを 行っています。

  • 学生が編集する商業文芸誌企画|ライティング|取材|編集

    プロの作家とともに学生の原稿も掲 載する文芸誌『文芸ラジオ』では、 教員だけではなく学生も編集作業に 参加しています。編集に携わる学生 は作品に目を通しコメントするとと もに、取材やインタビューにも実践 的に関わり、誌面作りに参加してい ます。

  • 地域と文学をつなぐコラボレーション取材|編集|他学科・地域とのコラボ

    文芸学科は、編集・ライティングの スキルを生かし、地域と連携してい くコラボレーション企画を積極的に 展開しています。事例を挙げると、 山形県警の職員採用パンフレットの 制作を受注し、広く一般に頒布され ています。また、寒河江市立図書館 の図書普及事業では、書評冊子を制 作し、ビブリオバトルを開催してい ます。書店販売されている雑誌や単 行本と同様、取材対象は企業や自治 体、ショップ、レストランなど多岐 にわたります。プロのカメラマンや デザイナーとともに、社会と積極的 に関わりながら、実践的な力を養っ ていきます。


作品紹介

  • 『嵐が丘』批評

    遠藤華奈子「『嵐が丘』批評」

     

    嵐が丘の文中にはしばしば、キリスト教的な教えを否定するような台詞など表現が見られる。しかしその部分には、反旗を翻す姿という魅力ではなく、喜ばしさで人を惹き付ける良さがある。

     

    嵐が丘はヒースクリフとキャサリンの、周囲を巻き込んだ生涯の物語である。全ては彼らの女中エレンの目線で語られ、彼女の只今の主人ロックウッド氏がそれを聞く、という形で進んでいく。
    幼い頃、「嵐が丘」という屋敷にキャサリンは住んでいた。そこへ主人が孤児のヒースクリフを拾ってくる。二人は仲を深めていくが、彼女の兄ヒンドリーは彼を良く思わず、主人が亡くなると下働きのように扱い出した。
    ある日キャサリンは「スラッシュクロス」という屋敷に住むリントン家の息子エドガーと出会い、その上流階級の生活に憧れ、ヒースクリフを愛しながらもエドガーの求婚を受ける。このことでヒースクリフは失踪する。
    数年経って彼は戻ってきたが、その理由はヒンドリーとエドガー、加えて自分を捨てたキャサリンへの復讐だった。嵐が丘の財産を奪う、エドガーの妹イザベラと結婚し虐待する、と順調に目的を果たし、その合間にも密かにキャサリンと会う生活。そして夫であるエドガーと愛するヒースクリフの板挟みで苦しんだキャサリンは発狂し、ついには娘を残して亡くなる。
    これで終わったかに見えたヒースクリフの復讐は、この娘キャサリン・リントンと、ヒンドリーの息子ヘアトンにも及んでいく。

     

    使えるものは何でも使い、復讐になるのならば手段は厭わずどんなに卑怯なことでも面倒なことでも行うヒースクリフだが、最後の最後、彼が死ぬ場面にそういった性格は見られない。彼は絶やさなかった愛憎からキャサリンの幻影を見、他のものなど心にないかのように、歓喜しながら死んでいく。「もうおれは、ほとんどおれの天国に行き着くところなんだ。だから他人の天国なぞはおれにはなんの値打ちもないし、ほしくもないんだ」と言って。
    キャサリンはヒースクリフを「あたしはヒースクリフです!」と叫んでみせるほど絶対的に思い、彼もまた彼女をこうして長い間復讐にかられて生きるほどに愛していたが、二人の恋は形になって叶いはしなかったといえる。他の誰もが彼らの関係をよしとはしなかったし、それぞれ他人と結婚している。そこにあった打算(ヒースクリフの場合は愛から来る復讐、キャサリンは「リントン家へ入ってこそ、あたしはヒースクリフを守り立ててやれる」と言っている)もまた、認められなかった愛の一片である。
    そんな彼らが、死んだ先に望んでいる天国の景色には、共通点がある。
    キャサリンも、その娘も、彼女と引き合わされた(ヒースクリフとイザベラの息子)リントンも、作中で天国を語る。各人まるで違う景色を述べ立てるが、共通しているのは彼らの言う天国がそれぞれに、自分だけにとっての天国である点だ。自分に合わない天国の夢を見て「ここはあたしの天国ではない」と感じたり、それぞれが一番と思う天国をあげ、合わないと感じたり。
    すなわち天国とは余計なものなどない場所であり、己の望むものがあるのが天国である。

     

    創作演習4 課題「エミリー・ブロンテ『嵐が丘』の批評を書く」

     

    エミリー・ブロンテ『嵐が丘』を読み、語りの構造や文体に注目して批評を書きなさい。という課題への作品。

     

  • ドラえもんの恋愛

    工藤靖之「ドラえもんの恋愛」

     

    最近、変なものに後をつけられている気がする。どこへ行くにも青いタヌキの姿が見える。疲れて幻覚でも見ているのだろうか。
    家の前にどら焼きが置いてあることもある。食べずに捨てた。遅刻しそうなとき、ドアを開けたら会社だったこともある。通勤途中の記憶がない。怖い。
    最初に青いタヌキを見たのはいつからだろうか。そうだ、あれは近所の野良猫に餌をあげていたときのことだった。
    家への帰り道、足を引きずっている猫がいた。首輪はしていない。見かねて動物病院に連れていき、治してもらったが、家では飼えない。仕方なしに放したが、時折餌をあげていた。
    ある日、いつものように餌をあげていると、視界の端に青いものが見えた。見ると電柱の陰からなにかが、こちらを見ている。青いタヌキのようだが、大きい。小学生くらいあるだろうか。自分の目を疑った。しかし、青いタヌキはじっとりとした目でこちらを見てくる。
    私は怖くなり、走ってその場を立ち去った。後ろからだみ声がしたような気がしたが振り返らなかった。
    その日から異変が起こった。私の周りにはいつも同じ服を着た小学生がうろつき、家の近所は同じ塀ばかりが並ぶ。
    彼氏に相談したところ、動物でも飼ってみたらどうだと言われた。動物に癒してもらえということらしい。彼自身が癒してくれないのかと思ったけど、彼は真面目だから仕方ない。
    犬や猫などの大きい動物は飼えないから、ハムスターを飼うことにした。小さくて可愛い。確かにこれなら癒される。
    ハムスターを飼ってから、青いタヌキを見かけることがなくなった。どうやら私は疲れていただけのようだ。念のためそのうち病院に行っておこう。
    しかし、突然ハムスターがいなくなってしまった。部屋中探しても見当たらない。家の庭も探したが、見つからない。部屋に戻るとき、前に助けた猫の口元が赤く染まっているのが見えた。
    部屋で「誰か助けてよ」と呟いた。机の引き出しから青いタヌキがこちらを見ている気がした。

     

    日本語表現基礎2 課題「ドラえもんの恋愛」

     

    スタイルは自由で、ドラえもんの恋愛相手を造形する。アニメの『ドラえもん』の世界観そのままではなく、別の世界観をつくり、相手のキャラクターと恋愛の状態がわかるように書く。という課題への作品


フォトギャラリー

  • 文芸学科 [ライティング/編集]
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教員紹介

山川健一 教授/学科長
Yamakawa Kennichi

山川健一 教授/学科長
Yamakawa Kennichi

1953年7月19日生まれ。早稲田大学商学部卒業。学士。

1977年早大在学中に『鏡の中のガラスの船』で「群像」新人賞優秀作受賞。以後、ロック世代の旗手として次々に作品を刊行。著書は100冊を超える。2004年8月に出版社アメーバブックスを設立し取締役編集長に就任。2007年にRudie’s Club Bandのヴォーカリストとしてコンサート活動を再開。長編小説に『安息の地』『ニュースキャスター』など。近著に『太宰治の女たち』(幻冬舎新書)、 『神をさがす旅 ユタ神様とヘミシンク』(アメーバブックス新社)などがある。 http://ameblo.jp/yamaken/

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石川忠司 教授
Ishikawa Tadashi

石川忠司 教授
Ishikawa Tadashi

1963年東京生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒。文学士。

文芸評論家。1989年に「修行者の言語 中原中也試論」で群像新人文学賞優秀賞受賞。著書に『極太!! 思想家列伝』(ちくま文庫)、『孔子の哲学』(河出書房新社)、『現代小説のレッスン』(講談社現代新書)、『衆生の倫理』(ちくま新書)、『新・龍馬論』(原書房)、『文学再生計画』(神山修一との共著、河出書房新社)などがある。

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川西蘭 教授
Kawanishi Ran

川西蘭 教授
Kawanishi Ran

1960年広島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。経済学士。

在学中の1979年、文藝賞最終候補作を改稿した『春一番が吹くまで』を『文藝』に発表し小説家デビュー。以来、小説やエッセイ、雑誌記事などを書き続ける。『パイレーツによろしく』『赤い革装の手帳』『光る汗』『夏の少年』など著書多数。近著に、自転車競技を題材としたスポーツ青春小説『セカンドウィンド』シリーズ、『あねチャリ』など。1999年浄土真宗本願寺派で得度。仏教関係の著作にはエッセイ集『坊主のぼやき』、ブッダの生涯と仏弟子を描いた画と短編のコラボ集『ブッダ』がある。

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長岡努 准教授
Nagaoka Tutomu

長岡努 准教授
Nagaoka Tutomu

1966年8月23日生まれ。山形市出身。青山学院大学文学部卒業(学士)。編集者。

1990年実業之日本社に入社。『ブルーガイド・スキー』編集部に在籍し、リレハンメル五輪取材のほか、『長野オリンピック公式プログラム』(日本語版・英語版・仏語版)の製作を担当。以後、単行本編集部、ビジネス誌『JN(実業の日本)』副編集長、旅行情報誌『ブルーガイド情報版』編集部、ゴルフ誌『Waggle(ワッグル)』副編集長などを経て独立。現在はエディトリアルディレクターとして、雑誌・単行本・ウェブの編集・執筆・プロデュース活動のほか、エディトリアルに関するコンサルタント業務も行っている。

玉井建也 准教授 
Tamai Tatsuya

玉井建也 准教授 
Tamai Tatsuya

1979年生まれ。愛媛県出身。専門は歴史学・エンターテイメント文化研究。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。修士。

東京大学大学院情報学環特任研究員などを経て、現職。著作に『戦後日本における自主制作アニメ黎明期の歴史的把握 : 1960年代末~1970年代における自主制作アニメを中心に』(徳間記念アニメーション文化財団アニメーション文化活動奨励助成成果報告書)、『坪井家 関連資料目録』(東京大学大学院情報学環附属社会情報研究資料センター)など。日本デジタルゲーム学会第4回若手奨励賞、日本風俗史学会第17回研究奨励 賞受賞。

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野上勇人 専任講師
Nogami Hayato

野上勇人 専任講師
Nogami Hayato

編集者、ライター。1975年12月6日生まれ、埼玉県出身。1999年に中央大学法学部卒業。学士。大学卒業後、広告系編集制作会社から編集キャリアをスタートさせ、出版系編集制作会社に移る。以後、実業之日本社、イーブックイニシアティブジャパン、ワークスコーポレーション、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS、ソシム、秋水社など出版関連会社10社近くに所属。それぞれの会社で広告・販促ツール・雑誌・書籍・電子書籍など、さまざまな出版コンテンツの編集を手がける。実用・ビジネス・デザイン・PC・コミックなど、媒体ジャンルも幅広い。2001年~2002年、フランス・パリに遊学、日本食レストラン「AZABU」の新規オープンに参加。2012年8月、合同会社CRAZY(編集制作会社)設立、業務執行社員に就任。日本文化デザインフォーラム会員。

2018年度 講師一覧

2018年度 講師一覧

麻野一哉
大久保開
小田イ輔
影山史枝
楠章子
栗原康
黒木あるじ
五井健太郎
高真一
深町秋生
誉田龍一
村山秀明
森田季節
森元斎


内定者の声

内定者の声

子どもたちへの応援歌、
そんな物語を書きたい。

株式会社リスペクト
丸山 千耀
広島県立海田高等学校 出身

「児童文学作家」を最終目標に、卒業後はライターとして働く ことになりました。人見知りな性格で、いつも本当の気持ち を言えなかった小学生の頃の自分を強くし、救ってくれた「物 語」。私には、一人でも多くの人の窮屈な気持ちをほぐす場を 生み出し、届けることで幸せな社会をつくりたいという夢が あります。その夢は、読書という選択肢があったこと、そし て物語を書く機会があったことで生まれました。内定先の企 業理念はまさに「機会と選択肢を最大に」。そこへ向かうこと で私の目標は達成できると信じています。


主な進路実績

【印刷、出版、新聞等】 井上総合印刷/幻冬舎/リスペクト/アサヒマーケティング/スタジオ・ハードデラックス /エストール/山形コミュニティ新聞 ほか

【デザイン事務所、広告等】 第一紙行/ル・プロジェ/オザキ・エンタープライズ ほか

【公務員】名取市/山形市/最上町

【その他(製造、サービス、小売他)】 企画演劇集団ボクラ団義/ジーユー/スズキ自販山形/ TIMTIM /東北バンキ ングシステムズ/山田鶏卵/ JT /桂樹舎/ワールドインテック/マッシュホールディングス/アルビオン/アンド ロボティクス/山形トヨペット/ワールドコーポレーション/天童荘/ヨドバシカメラ/アトム/帆風/ VSN / マーキュリー/エイアンドシー/東北パイオニアEG /泉/東日本計算センター/スリー・イー/マルハニチロ山形 /みやぎ生活協同組合/ヨークベニマル/共同エンジニアリング/フジ・コーポレーション/マツキ/メディアス テーション/ JR 東日本東北総合サービス/日本郵便/アオバヤ/エクロール/工藝藍學舎/コナカ/乗馬クラブク レイン/シリウスグループ/新生会/たかき/データウェアネットワーク/中原商事/野川商事/フィアドライブ/ MOVIEON /ヤマザワ/旅館古窯/生活協同組合コープあきた/イオンリテール/清川屋 ほか