髙橋里奈「青苧復活夢見隊の活動に見る伝統生業の復元とその模索 −山形県西村山郡大江町の事例から− (抜粋)」

  【研究背景と目的】青苧は古代より衣料の原料として生活に取り入れられ、日常生活に欠かせない植物繊維の一つであった。大江町では青苧を通し、地区も世代も超えた人々の繋がりが生まれている。本研究では、「青苧復活夢見隊」の活動に4年間携わりながら記録した青苧の栽培・加工技術の復元と製品開発などの経緯、現状についてまとめた。   【研究手法】主に、フィールド観察および聞書き調査によって行う。補足資料として空中写真や統計資料などを利用する。また、それらの調査や文献資料をもとに年表を作成する。   【「青苧復活夢見隊」】夢見隊は、山形県や大江町から「地域人材育成事業」、「水田農業構造改革」として助成を受け、平成20(2008)年より活動を開始した。主な活動は青苧の栽培、畑地の管理、青苧を利用した製品開発であり、これまでにバッグ、暖簾、着物、ランチョンマット、青苧の葉を利用した青苧うどん等を製品化し、他地域との差別化などを意識した製品開発を心がけている。近年、注目を集める第六時産業としての多彩な発展を目指している。   【青苧の衰退について】昭和に入ると養蚕、米作りに加えてベントナイトへの就業や果樹栽培などの新たな生業への移行が起こった。さらに戦後の高度経済成長期、新たな生活手段の選択として出稼ぎなどの就業体系が広く受け入れられるようになった。青苧は生活の必需品ではなくなり、戦後生まれの世代間で受け継がれるものではなくなったようである。   【まとめと今後の課題】現在、夢見隊により復活した青苧は衣料品やインテリア、さらには食の方面にまでその利用方法を拡大した。将来的には、各集落の休耕地を活用し、高齢者が一人でも管理出来る青苧栽培の環境づくりを目指している。4年間夢見隊の活動に参加させていただいたことで青苧の栽培・加工技術の復元と製品開発などの経緯、現状について具体的にまとめることが出来た。   原文から抜粋