





赤坂 ドイツに調査旅行に行った時に訪れた、ある小さな村の風景がヒントになりました。自然豊かなその村にはモダンなギャラリーがあり、瀟酒なカフェがあり、昔の学校校舎は立派な美術館として再生していました。案内人によると、150年前に一人の流浪の芸術家がこの地にやってきた時から、村人たちは長い歴史を費やしてその風景を築いてきました。ここでは芸術が、地域社会で営まれている伝統的な生活様式とか生業と融合することで、成熟した文化的景観に辿り着いていました。 私はその時間の厚みに、とても深い感銘を受けて、この村のイメージを持ったまま、東北で民俗調査のフィールドとして世話になっていた大蔵村の肘折温泉の「今」に着目してみました。1200年の伝統を持つこの温泉地は、伝統的な湯治のスタイルが衰退していく中で、若い経営者たちによる新しい街づくりがはじまったばかりでした。じゃあこの肘折に、かつてドイツの村にたった一人の芸術家がやってきて150年後の村の風景をつくっていったように、私たちの大学に結集しているアーティストやデザイナーが、その芸術的な感性を挿入みよう。そうしたら、一体どんな風景が生まれるのだろう?と考えたのです。

赤坂 かつて日本の温泉地は、絵師や俳人などの文化人を逗留させる、パトロン的な気質をもっていました。温泉の伝統的な「もてなしの文化」に倣って、2007年からはじまったアートプロジェクト『ひじおりの灯』では、洋画や日本画、版画を専攻する院生たちが肘折温泉の24軒の旅館にそれぞれ宿泊して灯籠絵を描きました。学生たちは温泉街の人々にお世話になりながら、その歓待に応えるように肘折の魅力を絵に表していきました。地元の若手経営者たちと大学スタッフが協力し、ほとんどボランティア・手づくりで立ち上げたイベントでした。 『ひじおりの灯』の他の注目すべき特徴として、プロジェクト全体を通して修験道の火をシンボリックに扱ったということがあります。肘折温泉はこの地方における山岳信仰のある種のメッカで、夏には盆迎えの火祭り、灯籠流し、棚田の蛍火コンサートなど、火に関連した神事や行事が続きます。『ひじおり灯』は、これらの行事がおこなわれる7月13日から20日まで期間、温泉街で点灯して、県内外から大きな注目を集めました。それはつまり、肘折温泉という場所が持っている特性を、内発的な「光」の演出によって明らかにし、そのことが「アートが地域に関わる」ことの有効なモデルとして理解されたからだと思います。プロジェクトは現在も進行中です。

赤坂 まず、旅館や商店の経営者たちが、大学の卒業生や在校生を可愛がってくれるようになりました。ある旅館の若旦那は、館内にギャラリーをつくって学生の作品を展示したいと提案してくれました。温泉街のちょうど中心にある、昔の郵便局舎は、もとの郵便局長さんの協力を得て、現在は常設ギャラリーとして開放されています。 共同浴場『上の湯』の改装は建築の学生が図面を引きましたし、壁にはテキスタイル専攻の学生たちによる大壁画が掛けられています。『ひじおりの灯』の開催をきっかけにして、温泉街に昔からあった建物が、ある種の文化的な資源として再発見されたのです。このプロジェクトは、今年から国土交通省や内閣府からの助成金(地方の元気再生事業)を得て、さらに大きな規模にひろがりつつあります。 しかし、これは巨大なお金があって始まったことではありません。肘折を舞台とする一連の試みは、温泉に生きる人たち自身の「自分探し」であり、アイデンティティの模索であってほしいのです。そこに絡んでいかなかったら、数十年のスパンで動いていかないと思います。こちらが提示するものと肘折温泉が利益として享受できるものが、ちゃんと噛み合って動いていくことが大切なのです。

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TUADチームECO
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雪と氷の街づくりワークショップ克雪のためのイベント運営 |
山形の魚文化を探索する
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地域サービスを担う若者定着支援ビジネスプラン作成支援 |
まちづくり塾運営委託イベント企画支援〔山形県河北町〕 |
山形のそば普及促進
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まちづくりワークショップコーディネート地域活性化支援 |
起業家支援事業ビジネスプラン作成支援〔福島県会津美里町〕 |
むらづくり計画研究地域活性化支援 |
旧西置賜郡役所前青苧門広場・
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赤湯温泉街通り景観まちづくり検討地域資源活用支援〔旅館大和屋〕 |
鉄砲町地下横断歩道展示企画運営空間装飾を提案 |
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