2017 審査員からのメッセージ

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◎中学生らしい視点で心揺さぶる提案をお待ちしています! 
審査員長:柚木 康彦(ゆのき・やすひこ)/プロダクトデザイン学科 教授

2018年3月3日のデザセンJr.決勝大会では、発表者の皆さんの素晴らしいプレゼンテーションに心を揺さぶられました。まさに中学生らしい視点による「身近な問題解決から世界を変える」提案の数々であったと振り返ります。
今年度も、多くの中学生の皆さんにデザセンJr.に挑戦してほしいと思います。その際、以下の3つのポイントを意識してみてください。
まず最初に、その提案は誰のためにあるのか?ということです。どのような目的を持つ人々に向けているのか、その人々と同じ目線に立てているのか。日頃、同じ教室で勉強している同級生でも自分とは違う面が意外とあるものです。実際、社会に横たわる問題には、さまざまな利害関係者がいたりします。双方にとってどのような良いことがあるのか、Win-Winの関係になれる可能性があるのか、と考えることがよりよい提案につながります。
次に、その提案を深めるために実際にどのくらい動いているか?ということです。少しくらい失敗をしてもかまわないので、最初の一歩を気軽に踏み出してみてください。そして、複数のアイデアを試してみること、比べてみることで気がつくことはとても多いことと思います。改善点をもとに繰り返していくことにより、真の課題解決に近づいていくことでしょう。
最後に、初めてその提案を聞く立場に立って、伝えたいことをわかりやすく伝えられるか?ということです。課題への答えがひとつだけではないように、まとめ方についても答えはひとつではありません。提案内容を効果的に伝えられる表現方法を考え、創意工夫してください。
中学生らしい着眼点を持ち、創造的な解決を目指した提案の応募を楽しみにお待ちしています。

 

◎デザイン選手権Jrの役割と2017年度大会
松村 茂(まつむら・しげる)/企画構想学科 教授

ICTは社会を根本的に変えている。社会の問題・課題を発見し、解決案(利便性のアイディア)の提案、解決案の頒布(商品化)などが、大きな資本を要せず個人レベルで可能になっている。
デザセンJr.は、中学生を対象に問題発見から解決案の提案、具体的なプロトタイプの制作までを競う。ICT誕生前には想像できないことであった。ICTの進展によって今後一層競われるアイディアは深まり、より実現性も高まるだろう。デザセンJr.の進化が楽しみである。
2017年のデザセンJr.は、中学生が抱える学校での問題から住民としての地域社会の問題まで幅広く、視点の幅の広さに驚かされた。同時に今後も日本社会が一層良くなっていくという期待と喜びを感じた。
今後、中学生の活躍に期待するとともに、大学も支援できることはしていきたい。

 

◎クリエイティビティを発揮して社会に変化を起こそう!
三橋 幸次(みつはし・こうじ)/プロダクトデザイン学科 教授

「クリエイティビティを発揮して社会に変化を起こそう!」
こう言われたら「勉強だけでも大変なのにそんなことできない!」と答えるのが普通ですね。しかし、言われたことをしっかりとやり抜くことはもちろん大切ですが、自分でやりたいことを発見して、それをやり遂げる力を鍛えることはもっと大切です。
「思いやりの心を広めて住みよい街にしたい!」「山形の特産物をもっと活用したい!」「悩んでいる友達をみんなで助けたい!」「授業をもっと面白くしたい!」「香りを使って頭の働きを良くしたい!」「方言ってなくなってもいいの?」などの皆さんの気づきは、どれも解決すべき重要なテーマです。
最優秀賞となった「STOP THE 並進」は、中学生の力で社会に変化を起こせる現実味が最も感じられた提案でした。思いやりを広める黄色いリボンの活動の一環として、交通ルールにおける思いやりの行動を中学生自らの力で実現できると確信できました。
デザセンJr.への挑戦は「クリエイティブに生きる!」ことへの挑戦です。構想を実際に試し、改良を重ねたすごい提案に出会えることを今年も楽しみにしています。

 

◎2017年度作品に対する全体講評と2018年度参加者に対するメッセージ
早野 由美恵(はやの・ゆみえ)/プロダクトデザイン学科 准教授

今回はじめて最終審査に参加しました。皆さん本当に中学生?と思う程、堂々とした内容とプレゼンでした。
優秀賞の『STOP THE 並進』はとても印象深いプレゼンでした。発想もタイトルにあるSTOPではなく、一列走行をやりたくなるにはどうしたら良いか?という「だめだから止めさせる!」から「こうするとかっこいいし、皆も喜ぶよ」というワクワクする問題解決の提案だったと思います。春になったら是非実行して欲しいと思います。
今回発表してくれたみなさんは、日常生活の中で問題を発見するためのアンテナを常に張り巡らし、それを「どうしたら良くなるだろう?」「こうしたら解決できるのではないか?」と考え、発想する力を養って来たのだと思います。そして、何度も試行錯誤を繰り返した結果であり、時に心が折れそうな時支えてくれた廻りの友人や先生がたの力も重要であったでしょう。
これから参加するみなさんには、自分の身の回りに起こることや存在に対して「当たり前」と思わず、色々な楽しいことや問題をワクワクしながら発見して、行動を伴った提案への挑戦を期待しています。

 

◎デザインの力で思いやりのある社会を実現していこう
吉田 卓哉(よしだ・たくや)/基盤教育研究センター(教職課程)准教授

決勝大会では、どのチームの皆さんも堂々とプレゼンを行っており、素晴らしいと感じました。きっと、各学校でのこれまでの取り組みや経験の中での学びが活かされた結果なのでしょう。
印象に残ったのは、皆さんにとって最も身近な場所である学校に関わる提案が多かったことです。よりわかりやすい授業の在り方や不登校問題、通学・下校時の自転車マナーなど、中学生にとってのリアルな課題を改善するための提案になっており、好感が持てました。地元の特産物や香りの効能に着目したものもまた、身近な事柄に落とし込んで提案できていたと思います。
デザインの力によって身近な問題点や課題を解決し、よりよい生活に変えていくことは、人々にとって思いやりのある社会を実現していくことにつながります。
来年度も、中学生らしくエネルギーに満ち溢れた斬新な提案を期待しています。

 

◎何気ない日常にこそ注目を!
渡部 桂(わたなべ・かつら)/建築・環境デザイン学科 准教授

応募いただいた提案の多くが、身近な問題を一生懸命に見ていて、そのまなざしに心を打たれました。みなさんが変えようとしている「世界」は、中学生らしく「学び」や「学校での生活」に関わるものが多かったと思います。
また「家庭」や「社会」まで広げられた問題意識も見られ、たのもしく思いました。より身近な「世界」をとらえた提案は説得力がありました。それは皆さんがその「世界」のことをよく知っているからです。より深く問題を探ることができれば、より深い提案ができます。
デザインは「問題解決」です。まずは解決すべき問題や課題をしっかり発見することが大事。しかし奇をてらう必要はありません。皆さんが問題だと思ったら問題なのです(共感を得ることは必要)。日常には解決すべき問題があふれているはず。普段なにげなく見ている日常に目を凝らしてください。次回また、みなさんのしっかりとした 問題意識(世界観)に出会うことを楽しみにしています。

 

◎問いを見つけ出す優しい気持ちとデザイン思考で世界を変えよう
月本 久美子(つきもと・くみこ)/山形県工業技術センター 専門研究員

初めて審査員を務めさせていただきましたが、最終プレゼンはどのチームも工夫を凝らした内容で、堂々と発表する姿が印象的でした。授業に対する不満や登下校の自転車の乗り方等、身近なところから課題を見つけ、自分たちで調査・分析をし、解決方法を考え、試行するというデザイン思考のプロセスに則った取組みであることも、とても頼もしく感じました。
長井南中学校の「STOP THE 並進」は、並進をやめようと訴えるだけでなく、一列で走ることがカッコいいのだというブレイクポイントを経て、オリジナルソングや動画の制作にまで発展したところが素晴らしかったです。東京を中心に考えられていることが多い世の中ですが、問題は地域にも、身の回りにもたくさんあります。誰か(何か)のために、こうだったらいいな、なんとかならないかな、という問いを見つけ出す優しい気持ちとユニークな発想、そして学生ならではの行動力を活かして、是非次回も挑戦してください。

 

◎知恵と勇気のデザインを
佐藤 恒平(さとう・こうへい)/まよひが企画 代表

しっかりと練られたプレゼンテーションはもちろんですが、質問にも笑顔でしっかりと答えているみなさんの姿が印象的でした。アイデアを責任持って自分の提案と捉えているかは、質問の答え方に出てきます。時間が許せば僕はもっと皆さんの発表に質問を投げかけたいと思っていました。それだけ魅力的な発表の数々でした。
また、生徒のアイデアを発表の形にするためにサポートする先生たちの頑張りも随所に感じました。課題と向き合い一緒に考えてくれる大人と共に過ごす時間は、かけがえのない経験になるはすです。
僕自身は特に、授業を受ける「姿勢」をデザインした二華中学校の「St」のアイデアが響きました。「授業はヒマだ、眠い」と真っ向から提言するのは勇気が要ります。でも、勇気の先にはしばしば大きなチャンスも眠っています。できない理由を上手にかわし、解決の道を見つけ出していく。この探求と実践こそがデザインを仕事にする楽しさです。次の選手権でもぜひこんな勇気と笑顔がある提案に期待しています。

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