東北芸術工科大学

大学が展開する主な事業

東北文化研究センター
「東北学」の更なる追究

東北とは、何か。
東北がこれからの日本やアジアに対して果たすべき役割とは何か。
これは東北文化研究センターが設立以来、「東北学」のなかで一貫して取り組んできたテーマです。
いま、東北は東日本大震災や少子高齢化などによって、地域の再編を余儀なくされるほどの重大な局面に立っています。しかし、東北の人々はこれまでも、縄文以来、一万年におよぶ東北の大地に埋もれた歴史、文化、精神文化、また、自然との共生原理をとおして、様々な難局を乗り越えてきました。実は、そこには、東北に限らず、人類が未来に生きるための叡智がたくさん含まれています。
本研究センターでは、これらを学術的に調査研究し、東北が人々の未来に何をなしえるのか、その解明に取り組んでいます。
また、同時に、「若者たちの東北」をテーマに掲げ、本学生にも調査に加わってもらうことによって、地域の現状を切り開いてゆける若者の育成にも取り組んでいます。
http://blog.tuad.ac.jp/tobunken/

美術館大学センター
「美術館」と「大学」の融合を目指して

東北芸術工科大学では、“芸術の心や文化を大切に思う心が、混沌とした現代社会を切り拓く大きな力を持つ”とする建学理念のもとで『東北ルネサンス』を掲げています。21世紀の世界情勢や環境問題を見据えながら、日本の芸術文化を担う人材育成の場として、キャンパスの建つ蔵王周辺の自然や、豊かな地方文化を色濃く残す山形は、フィールドとして理想的な環境です。『美術館大学構想』では、キャンパス内の展示施設だけでなく、そうした周辺の環境全体を、地域社会に開かれた「オープン・エアー・ミュージアム」と捉え、民俗学や地域学、建築デザインとも連動しながら、地域密着型のプロジェクトを展開しています。その活動を担う『美術館大学センター』は、専任の学芸員が年間を通して様々なアート・プロジェクトを運営しています。キャンパス内のギャラリーで開催するアート展の他、中心市街地や中山間地域での地域活性化プロジェクトや、廃校や湯治場などで学生や招待アーティストが滞在制作を行うアーティスト・イン・レジデンスなど、東北の風土に根ざした草の根的な芸術運動を展開しています。
http://www.tuad.ac.jp/museum/

こども芸術大学
芸術を通して平和を希求する心を育てるために

本学には、3歳から小学校入学までの子どもとそのお母さんのための「こども芸術大学」があります。子どもは自分の中に限りない可能性を抱え、日々少しずつ成長しています。その一つひとつに、喜びや驚きが詰まっています。こども芸術大学では、芸術を志す人々の温かさと雄大な自然の中で、子どもたちの「感じる心」「感じあう心」「つながりあう心」を育てています。この心の根底には、東北芸術工科大学の「平和を希求する」理念があります。子どものそばに寄り添い目線を合わせると、いろんなことに気づかされます。その元気な姿は、私たちに希望さえ与えてくれます。こども芸術大学は“こどもこそ未来”を合言葉に、たくさんの人の愛情のもとに、社会の未来を創る子どもたちを見守り育てる、運動体でもあります。学生たちが、真剣に制作に向き合い創造する姿は、子どもたちに勇気を与えます。同時に、子どもたちの純粋でひたむきな姿は、学生たちに何かを思い出させてくれるきっかけにもなります。こども芸術大学があることで、東北芸術工科大学のキャンパスは、子どもからお年寄りまでが集う小さな地域になりつつあります。いろんな年代の人たちが、お互いのことを思いやり、共存する、そんな気持ちが広がっています。
http://kodomogeidai.jp/

全国高等学校デザイン選手権大会
「創造力」による社会の変革

芸術を学ぶ若者に、人類危機の時代を克服しようとする強い意志をどう植えつけるか。他者の痛みに想像力を働かせ、多くの人々の幸せのために芸術の力を用いる姿勢をどう養うか。困難な問題を解決し社会を変革する創造力をどう身につけさせるか。開学当時から構想した「全国高等学校デザイン選手権大会」は、2012年に開催した第19回大会では、89の高等学校から934チームが参加するまでになりました。社会の矛盾や現代の諸問題の解決を競う高校生たちの真摯な姿、それを支える大学生たちの熱心な姿は、我々に大きな希望を与えてくれます。人間がどうすれば幸せになれるのか。その問いから生まれたのが「デザイン」であったにもかかわらず、現状を見る限り必ずしも人を幸せにはしていません。世界の矛盾の中で苦しんでいる人たちの苦しみや悲しみに思いを馳せ、自分自身の苦しみや悲しみとともに、その解決を考えていくデザイン。そのような心のデザインを志すことが、今求められています。この運動を日本の隅々にまで行きわたらせ、デザイン哲学の再構築をはかりながら、人間の「想像力」と「創造力」こそ人類の危機を克服する鍵であることを、強く社会に訴えていきます。本大会は、独創的であること、社会・文化的な価値を誘発していること、人と人との新しいコミュニケーションを提案していることなどが評価され、2006年度のグッドデザイン賞 新領域デザイン部門を受賞しています。
http://www.tuad.ac.jp/dezasen/

東北復興支援機構 TRSO
東日本大震災後の「新しい社会・東北」を創造

TRSO(東北復興支援機構)は、東日本大震災後の「新しい社会・東北」を創造するプロジェクトルームとして、2011年5月に設立しました。本学で教鞭をとるクリエイターの造形ワークショップ、南相馬の子どもたちを山形に招待するアート林間学校、福島の子どもたちとそのご家族を対象とした「食とアート」の交流ピクニックなど、被災したコミュニティへの〈教育リソース〉提供を軸に、複数の支援プロジェクトが継続中です。復興までのプロセスを次の東北を担う人材育成につなげていくために、アート、建築、映像、民俗学など幅広い学域が恊働し、多くの学生が現地の支援活動に参画しています。
アーティストやデザイナーによる復興プロジェクトをマネジメントすると共に、学生有志(福興会議)や市民によるボランティア活動、企業やNGOと連携した教育振興事業を推進し、今後も被災地のニーズを踏まえた「アートとデザインによる復興支援アクション」を継続的に展開していきます。
http://blog.tuad.ac.jp/trso/

共創デザイン室
共に創り出す地域デザインの場

共創デザイン室は、製造業・建設業・農業・観光などの産業を、東北芸術工科大学のデザイン力・企画力でサポートする連携窓口です。1997年に産学連携窓口として学内に開設された「総合研究センター」を、2011年春にリニューアル。大学と地域との結節点として開設された「やまがた藝術学舎」(山形市松見町)に活動拠点を移し、地域の企業や行政、金融などとの連携活動に取り組んでいます。共創デザイン室には専任スタッフが常駐し、年間100件を超える企業などからのデザイン相談に対応し、地域と大学の専門家との橋渡し役を担っています。共創デザイン室に寄せられるテーマは、製品デザイン、建築・空間デザイン、CI、パッケージデザイン、企画・プランニング、映像制作、学術調査など多岐にわたります。これら地域や企業などから寄せられるテーマを授業や卒業研究にも積極的に取り入れており、大学にいながら実践的なデザイン業務を体験する機会も豊富です。また、企業や行政を対象とした実践的な産学連携セミナー『共創のテーブル』の開催やこれまでの産官学連携の成果を紹介するショールームとしての機能を通じて、デザインによる産業振興について共に語り合い、創り出す地域デザインの共創の場となっています。
上原勲 教授(室長)
http://kyoso.tuad.ac.jp/

文化財保存修復研究センター
文化財を保存・継承し、知と技を世界へ発信

文化財保存修復研究センターは、「文化財保存修復の受託研究事業」「研究事業」「教育事業」「技術開発」を大きな柱として、山形を中心に東北各地域の文化財を守る中核を担っていきます。これまで蓄積された知や技を国内のみならず世界へ発信していくことで、文化財の保護・継承へ貢献できると考えています。東北初の「文化財保存修復研究センター」は、2001年4月に設立。文化財保存修復の受託事業と、これを本学の教育に還元することを中心に、保存修復の啓蒙や生涯学習、情報発信など、本学が持つ教育研究のマンパワーやノウハウ、情報資源を最大限に活かした、他大学にはできない文化財保存修復専門の研究機関としてスタートしました。これは、いわば「文化財の病院」です。伝統を見直し、様々な地域文化遺産を次世代へ継承していく気運の高まりとともに、ますます増加する文化財保存修復の受託・研究事業へのニーズに応え、社会的な貢献を目指していきます。東北の文化財保存修復の中心的な存在として、海外との技術交流やインターネットなどの様々な媒体、ワークショップを通じて、国内外に研究成果の公開や情報発信も行っていきます。 http://www.iccp.jp/

創造性開発研究センター
小中高生の生きる力を育む芸術・デザイン思考の可能性を探究

ますます複雑化する現代社会の中で生きる私たちは、多地域多世代に対応することができる柔軟性のある思考と行動力、人間精神力の豊かさが必要とされています。当センターでは、小中高生を対象として「生きる力」(豊かな人間性・問題解決力)を育むための「芸術思考」及び「デザイン思考」に基づく教育方法を総合的に研究し、確立することを活動目的としています。小中高の教員や教育委員会からの協力を得ながら、研究の成果を教育現場に還元していく仕組みを研究していきます。加えて、地域のこどもたちのための参加体験型プログラム研究として、それぞれが体験、体感しながら芸術・デザインとの新しい関わり方を発見するきっかけを提供するとともに、こども芸術大学や全国高等学校デザイン選手権大会などと連携を図りながら、本学の創造性教育の有効性を実証していきます。また、当センターの研究活動の拠点となる「やまがた芸術学舎」は、こどもたちが未来へ向かい多くの希望と可能性を創出し、芸術・デザインの力をもって地域社会と真摯に向き合える「場」を目指します。