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教育における特徴的な取り組み
本学の教育プログラムの特徴は、大学が立地する東北に基盤を置き、芸術・デザインの専門教育と、専門領域のすべての教員が担当する教養教育を有機的に結びつけ、地域の特性や資源を積極的に教育に導入することで、教育効果を高めている点です。これは同時に、地域社会や住民とのインタラクティブ(双方向的)な関係を築き、地域の潜在能力を引き出そうと創意した試みでもあります。
学生を入学時から「未完成の専門家(Pre-professional)」と位置づけながらも、専攻領域のみにとらわれず、深い教養から導かれる広い視野と、地域との関わりによって育まれる社会性をもったジェネラリスト教育への新しい取り組みであり、それが、最も人間の本質に近いところで展開される芸術・デザインを担う人間教育のあるべき姿だと考えています。
これらを実践するための教育の柱は3つあります。
第一の柱である「専門教育」においては、「プロジェクト型演習」と「チュートリアル型演習」がその中核を成します。「プロジェクト型演習」は「課題発見」に主眼を置き、大きな特色として、企業や自治体からの受託研究や共同研究を取り込んだ実践的な演習となっている点です。その結果、演習の成果発表は、「学外の他者」に対する公開型のプレゼンテーションという形を取ります。地域住民や企業担当者からの具体的な批評・批判・評価を直接受けることで、学生の自主性と社会性をもたらすとともに、達成感による次なる課題への意欲を高めます。
一方の「チュートリアル型演習」は、教員の発案で自由にテーマ設定し、学生が学部学科を超えて自発的に参加できる、単位認定を目的にしない自主ゼミ活動と位置づけています。まちづくりへの提案・参加や養護学校との連携など、地域の社会活動と深く関わりながら行われるのが特徴で、現在27テーマが活動し、多くの学生が参加しています。
二つ目は、画一的で創意を喚起しない配給型のカリキュラムを再編した、全学的な総合教養教育の推進です。「いかに美しい造形を表現するか」といった知識や技術以前に、「芸術とは何か」「何をデザインするのか」といった社会洞察力と創造性、適確な問題設定を自ら導き出せる人材の育成は、専門教育と同じく不可欠なものと考えるからです。言語、文化、歴史、科学技術などあらゆるジャンルにわたる領域を対象としたこのリテラシー教育は、すべての専任教員が担当し、学生の希望や興味に合わせ自由に選択でき、全学年での履修が可能になっています。
三つ目の柱は、大学および学生による地域と密着した教育研究活動です。その成果は発表会や報道によって数多く紹介され、地域・産業界に広く浸透しています。いわゆる産学連携による事業も活発で、モニュメント制作から、老人用家具のデザイン開発、都市計画までと幅広く関わっています。特筆すべきなのは、これらの研究の中にはプロジェクト型演習に組込まれ、学生が参加している事業が数多く含まれる点です。全国から集まる学生個人の制作・研究が、地域社会に貢献しその魅力を創生している実例は他の大学に比べても多く、中には卒業後も地域に残り活動を継続したり、起業する学生も少なくありません。このような地域との関係は、学生の社会性と実践力を高めるだけでなく、大学そのものが社会性を得て、本学の理念を実行していく原動力になると確信しています。
基本使命と教育目標
将来、一人ひとりが社会のあらゆる場面で活躍できるよう、東北芸術工科大学では大学の理念を基に、学生が身につけるべき力として次の4つを定めています。
あらゆる物事にしっかりと向き合い、周囲や既存の概念にとらわれることなく、まずは自分の目でよく見て、自分の肌で感じる力です。4年間の大学生活を通じて様々な演習課題に取組むことで、その力を養っていきます。
社会が抱えている様々な問題に気付き、より多くの人が豊かに、幸せになれる方法を考えます。そして実現へ向けて最後まで諦めずに遂行する力です。地域社会と連携した様々なプロジェクトに触れることで、身につけていきます。
自らの独自性を見つけ出し、伝え方や表現方法を考え、実際に行動に移していくため、研究や作品の完成度にとどまらない、プレゼンテーション能力を身につけます。自分の考えを適切な言葉で伝える能力も、併せて磨いていきます。
会話や議論を通じて相手を理解し、受け入れ、そして自分が抱くイメージをその中へ活かしていく。コミュニケーションを取りながら、みんなで共通の目標に向かっていく能力は、豊富なグループワークなどを通じて会得していきます。