東北芸術工科大学

学長から受験生へのメッセージ

芸工大で新しい自分に出会ってほしい。
—これからの芸術とデザインのあり方—

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芸術やデザインに対する認識は、時代によって変化して来ています。これまでは、形として見えるものを作ることが芸術・デザインの中心でした。しかし既に社会では、形に見えるものだけでなく、地域や日本、ひいては地球が抱える問題を新しい発想法で解決していくような、新しいデザインの形が求められています。それは芸術においても同じで、どこかに飾られるものだけが芸術ではなく、もっと生き方に関わってくるような、多様な形での芸術が今後注目されていくに違いありません。

実際に社会が複雑化している現代、私達の前には、今までのやり方では解決できない問題が数多く横たわっています。また震災以降、エネルギー問題といった、循環できる社会を実現するための課題が次々に見え始めてきました。そのために私達が生み出したいのは、あらゆる課題に対処できる、想像力と創造力を持った人です。芸工大では、学生自ら社会の必要性に耳を傾け、その声に対応できるよう、産学連携などの実践的な学びを大事にしています。そして教員は日々学生と向き合いながら、卒業後に活躍できるたくましい人を育て、社会へ送り出しています。

そんな中、東北芸術工科大学では、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2014」を山形の皆さんと共に開催することにしました。人口が減少している今、芸術やデザインを通して山形の魅力を発信することは、地域と大学を活気づけていくことにつながると考えたからです。市民と、今後も山形に在り続ける芸工大とが、芸術祭に向けた活動を共に続けていく―。私達はそこに大きな意義を見いだしています。

最後に一つ。スマートフォンのアプリなどで友人と頻繁にやりとりしている高校生は多いと思いますが、それだけでは人や社会とつながっているとは言えません。高校生の頃は、どうしても自分の周りで起きていることにだけ目が行きがちですが、大切なのは、その枠を飛び越えて「新しい何かに出会いたい」と強く思うこと。この機会に、本でも映画でも、気になる世の中の出来事でも何でもいいので、少しずつ範囲を広げながら、自分にとって大事な「何か」を探してみてください。

 

根岸吉太郎 学長、映像学科教授
1950年生まれ、東京都出身。早稲田大学第一文学部演劇学科修了後、日活に入社。1978年『オリオンの殺意より、情事の方程式』で監督デビュー。2006年『雪に願うこと』で、東京国際映画祭のグランプリ、監督賞をはじめ史上初の四冠を獲得。。2009年『ヴィヨンの妻 ~ 桜桃とタンポポ~』でモントリオール世界映画祭最優秀監督賞受賞。2010年には紫綬褒章を受章。