根岸吉太郎 理事長就任のご挨拶

昨年12月20日に理事長に就任いたしました。約9年前、映像学科を立ち上げる際に本学へ赴任し、それから2年経過したところで「東日本大震災」が発生し、同時期に学長へ推挙され、以来7年間年にわたって学長職を勤めてまいりました。その間、芸術大学として、芸術を志す者が震災の後にできることは何なのかということを自分たちで探しながら行動してきた年月だったと感じています。

2014年にはこの大学の理念・哲学の中心であった元理事長の徳山詳直氏が亡くなられ、後任を務められた古澤茂堂先生は、「大学後援会」の設立をはじめ、それまで以上に本学と「山形」、「東北」、「仙山圏」とを様々なかたちで深く結びつけることに尽力されました。公設民営の大学としてスタートした本学では、学校法人のトップである理事長をこれまで行政、経営、理念に携わる方々が務められてきました。

この度、初めて私が「教学」の分野から理事長に就任することになります。この大学のために、そしてこの地域のために、「教学」出身者として教育改革も含めて、今まで以上に真剣に考えていきたいと考えています。

教育改革というのは、この大学でどのような学生を育てたいのか、この大学はどうなりたいのかを考えることです。昨今、美術の大学だけではなく、世界的に「デザイン思考」のような考え方に注目が集まっていますが、その中心にあるのは「課題を発見すること」です。我々の大学には、「企画構想学科」や、「コミュニティデザイン学科」といった新しい領域の課題発見を中心とした学科がありますが、そうした学科の特長が学科内に留まらず、大学全体の思考の一つの方向として普遍的に広がり、課題を発見し、実践し、検証するというプロセスを自然に取ることのできる力を身につけた学生を社会に送り出し、評価されることで、新たな学生が入学してくるというサイクルをしっかり築いていきたいと思います。

また同時に、地域に出て行って、リノベーションを中心としてまちのなかに幾つか拠点をつくりたいとも考えています。現在、少なからず動きが生まれていますが、それらの動きを点から線に、さらには面にし、その中心にはこの大学があると認められる存在になりたいと考えています。

大自然に囲まれ、市街全体を眺めることのできるこの地にいると、自然にまちと大学とが密接に結びついていることを感じます。3月末までは学長の職も兼ねながら、教職員と一緒にこの大学の次のステップについて考えていきたいと思っています。

近年、非常に高い就職率を保つようにもなりました。地域からも、全国からも認められる、山形に「東北芸術工科大学あり」という状況を確立すべく、皆さまのご協力を仰ぎながら、今後も精進してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

2018年1月吉日
東北芸術工科大学
理事長兼学長 根岸吉太郎

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