ワタナベアニ写真展「シネマ通り」10月5月(木)〜12日(木) とんがりビル


大学院の宮本武典准教授が企画した写真展「シネマ通り」が、10月5日(木)よりとんがりビルにて開催されます。本展は、「山形国際ドキュメンタリー映画祭2017」とのタイアップ企画です。映画祭と合わせて、ぜひ足をお運びください。

ワタナベアニ写真展「シネマ通り」
2017年10月5月[木]→12日[木]
とんがりビル KUGURU
http://www.tongari-bldg.com/1654
開廊時間:11:30~21:30/会期中無休

アイデアはとてもシンプルだ。とんがりビルに8日間、写真家が滞在して、この界隈の路上で道行く人々のポートレートを撮影し、翌日にはプリントアウトして貼り出す。展示する写真は、すべて黒バックのポートレートで、オープニングの段階では、壁面はほとんど真っ白かもしれない。日を重ねるごとに作品が増えていく〈現地制作〉の〈即展示〉と、構造はシンプルだが、ここで僕らが描こうとしているストーリーは、そう単純でもない。

まず場所。とんがりビルがある山形市七日町の通称「シネマ通り」には、かつて7つの映画館が立ち並んでいたが、今は全て廃業して取り壊されて跡形もない。「シネマ通り」の活況は、当時を知る世代のノスタルジーにしかなく、エドワード・ホッパーが描いた黄昏のような2017年9月現在のこの通りから、かつてのシネマ・パラダイスを想像することは難しい。ここは商業映画に見捨てられた街区なのだ。

次に期間。撮影をおこなう10/5~12日の8日間は、シネマ通りを含むこの界隈で「山形国際ドキュメンタリー映画祭2017」が開催され、世界各地から映画関係者が集結する(映画館は消えたのに、映画祭は続いているなんて奇妙な話だ)。とんがりビルも上映会場になるため、ここで撮られ、貼り出されるポートレートは、山形にも東北にも帰属しない、旅するドキュメンタリストたちが、その多くを占めるだろう。

そして写真家は、ワタナベアニである。福島・パリ・東京の路上で、アニさんが活写した市井の人々のポートレートを見た。とても優美な写真だ。みんないい顔で写真におさまっている。優れた写真家は、ありふれた人や街にファインダーを向けていても、目に見えないものを捉えようとしている。だからこれらも、普通のポートレートであるはずがない。アニさんは、プロのファッションモデルを素人のように撮り、素人をファッションモデルのように撮る。路上で、デイライトで、ほんの数秒間で撮られているはずなのに、彼らみんな通行人Aを演じる、プロの俳優のように見える。

映画館の消えた街で、映画の祭典が催される8日間だけ、幻のように復活する「シネマ通り」は、山形にあって山形ではない、架空の場所のようだ。そこで生まれるフェイクとリアルが綯い交ぜになったストーリーを、一本の未生の映画として描くことはできないだろうか? 実はアニさんと僕はそんな、シネマ通りを舞台にした映画の制作を夢想しはじめていて、この写真展「シネマ通り」は、そのプロローグである。(企画:宮本武典)




ワタナベアニ/Ani Watanabe……1964年横浜生まれ。写真家・アートディレクター。ライトパブリシティ勤務を経て、1999年「NINJA FILMS」設立。アートディレクターとして、「45R」「HENRY CUIR」などのグラフィックデザイン、アートディレクションなどを手掛ける。2006年より写真家としての活動をスタート。雑誌・ファッションカタログを中心に活動。 watanabeani.com

スライドショー&トーク ワタナベアニ × 宮本武典(聞き手)
2017年10月9日[月]18:00-20:00
入場無料/申込不要


会場:とんがりビル1F(nitaki、KUGURU)
〒990-0042 山形県山形市七日町2-7-23
企画:宮本武典+akaoni、山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局
企画協力:nitaki、東北芸術工科大学
主催・お問合せ:株式会社マルアール
Tel. 023-679-5433
Mail. info@maru-r.co.jp
※専用駐車場はございません。近隣の有料駐車場などをご利用いただきますようお願いいたします。

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