「東北画は可能か?」が青森県立美術館10周年記念展に出展

チュートリアル「東北画は可能か?」のしきおり絵詞が、7月23日(土)より青森県立美術館のエントランスにて「根と路」展の三瀬夏之介教授関連企画として展示されています。2013年より作られたしきおり絵詞は、本展示のキーワードでもある「ジャッカ・ドフニ」を受け、新たに姿を大きく変えることとなりました。三瀬教授の展示と合わせて、ぜひ御覧ください。

 

青森県立美術館10周年記念「青森EARTH2016 根と路」
会期: 2016年7月23日 (土) 〜9月25日 (日)
時間: 9:00〜18:00 (入館は17:30まで)
休館日: 8月8日(月)、22日(月)、9月12日(月)
詳細:http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/83/

 

ステイトメント

「ジャッカ・ドフニ」という言葉を教えてもらった。ウィルタ族の言葉で「大切なモノを溜めおく場所」という意味らしい。私たちにとってのジャッカ・ドフニはどこだろう。旅をし、出会い、語らう中で少しずつ積もっていく大切なモノたち。その一個一個は私たちの血肉になり世界を少し違う風に見せてくれる。そうか、ジャッカ・ドフニは旅をする私たち自身なのかもしれない。ここでの出会いを貯め込んで、また私たちは旅に出る。  この作品は2013年に制作がスタートした。はじめは東北に力強く生きる人の姿を作ることを目的に、青森の裂織という手法を使いドンジャを模して作られた。綿のとれない青森で、寒さ厳しい冬を越すための知恵として生み出された裂織や、冷暖房が整っていない時代に家族が裸になってくるまったというドンジャは、その当時の厳しい生活を伝えるだけでなく、今の私たちの生活に足りない何かを教えてくれるような気がした。ダンボールで作ったささやかな織り機で織る作業は時間もかかり中々進まない。しかしその作業の間、私たちは語らい、笑い、お互いの思いがけない一面を知ったりもする。そんな姿はきっと当時の囲炉裏のそばでも当たり前のように見られた風景なのではないだろうか。追体験。私たちは当時の人々に思いを馳せた。  2014年。私たちはメンバーが入れ替わりながら、またこの作品に手を入れはじめた。前年に京都と喜多方で展示をしていく中で綻びが見られたからだ。裂織で作られた着物は使い込んで古くなると、上から当て布をしたり、別の裂織で穴をふさいだりして大切に使われてきたという。生真面目に整った裂織や急いでいたのか今にも解けそうな裂織を確認し、繕いながら前のメンバーの思いを想像する。より重厚に、よりたくましく。思いを受け継ぎながら、改変していく。裾野も広げ、大きくなった。  そして今年。新たなメンバーと共に大きく変貌を遂げることになった。今まで思いを馳せる相手だったこの作品は、私たち自身へと形を変えた。今まで塞がれていた着物の中は開かれ、出会いの痕跡を詰め込んだ。またほつれれば誰かが繕うだろう。穴が開けば埋めるだろう。その作業すら今は共にいない誰かとの出会いだ。これからもこの作品は少しずつ、その時々に合わせ形を変えながら私たちと旅をする。これからの出会いに心踊らせつつ。

 

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